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漫画『BASTARD!!(バスタード)』の歴史[バスタード(BASTARD!!)]

ここでは波乱に満ちた『BASTARD!!-暗黒の破壊神-』の連載にまつわる歴史を載せておきます。

『WIZARD!!-爆炎の征服者-』としてスタート
 『BASTARD!!(バスタード)-暗黒の破壊神-』は1988年に集英社「週刊少年ジャンプ」にて、この漫画の元となる『WIZARD!!-爆炎の征服者-』というタイトルで読み切りが掲載されます。まつもと泉(ex.きまぐれオレンジロード)風の絵柄や、"「処女の接吻」で主人公のD・Sとルーシェの身体が居れ変わる"という初期設定が描かれているあたりなど、後から読み返すと初初しいものがあります。その後『BASTARD!!-暗黒の破壊神-』として連載が始まるわけですが、剣や魔法が飛び交うファンタジックRPG風の世界観、あらゆる所でスクリーントーンを多様した密度の濃い超絶な作画テクニック、迫力のあるデカいコマ等が目を引き、当時のジャンプや他の雑誌の少年漫画には類を見ないものとして鮮烈なものを感じました。

突然の連載終了
 『バスタード』は、そのマニアックな世界観を背景にカルト的な人気を得て、少々危なっかしくもありながらジャンプの後ろの方のページで連載を重ねて行きます。1989年、連載も1年を越え単行本も8巻を数える頃にはダーク・シュナイダーとΩアビゲイルの戦いを経てストーリーは急展開、魔戦将軍も登場、ヨーコも成長して侍軍団を率いるようになり、この漫画の"核"となる謎も明かされ始め、漫画は段々と盛り上がっていきます。ところがそんな最中、突然「作者腰痛のため」という理由で連載が終了してしまいます。ヨーコにD・Sが「ごめんなさい!!」と謝っているあの終了告知は衝撃でした。

「季刊ジャンプ」で復活

 ところが1度連載が終了してしまった同漫画ですが、なんと1990年、違う雑誌で復活を果たします。それが「季刊」とよばれる、文字どおり春夏秋冬、1年に4度発行される雑誌「季刊ジャンプ」です。単行本で言うと9巻からが「季刊」での連載になります。

 「季刊ジャンプ」というのは主に、本誌デビュー前の漫画家や何かの賞を受賞した新人の読み切りが掲載される場としての雑誌という役割でしたが、そこに「週刊(本誌)」で連載されていた同漫画が移されるという事は異例でした。

 しかしながら1度は終了してしまった『バスタード』、どうなる事かと思いましたが、"雨降って地固まる"と言いましょうか、この掲載の移動は完璧に「吉」だったと言えるでしょう。今思えば、この頃がこの漫画の絶頂期であったに違いありません。

絶頂期、ストーリーは壮大に

 総ページ数が「週刊」の倍を超える量を抱えた「季刊」における同漫画は1話あたり40〜60ページ掲載されました。これはデカいコマや迫力のある見開きを多様したこの漫画にとって非常に好都合で、ボリュームのあるストーリーでも1度の掲載ですぐ読み終わる事がありません。故に年に4回の掲載ながら、毎回楽しみにしているファンに "物足りない"と思わせる事はありませんでした。

 ストーリーの方も展開が一層激しくなっていきます。今までのファンタジックRPGの世界観の枠を越え、神や悪魔といった宗教めいたモノや終末的な内容が扱われるようになり、さらに輪をかけて同漫画はマニアックでカルト的な人気を得て行くようになります(それまで『ウィザードリィ』だったものが『女神転生』ライクになった感じでしょうか)。作画レベルもさらに超絶テクニックに磨きがかかり、おそらく同雑誌の他に掲載されている新人の読み切りとは色んな意味で次元の違う漫画になっていきます(私はその読み切りも含め全部読んでましたが、新人のそれはそれで面白いものもありました)。

 しかしです、しかしまた『バスタード』は連載が中断してしまいます。

またも連載が中断〜「週刊」で月イチ連載
 1996年、単行本でいうと18巻にあたります。ポルノ・ディアノの「まいっちんぐ」のページは前回連載が中断してしまった時の「ごめんなさい」よりも衝撃でした。どうやら、今度は"本誌(週刊少年ジャンプ)"に戻るという事なのです。

 1997年に、"贄編"という、おそらく『バスタード』の世界の過去の話を垣間見せた読み切りが「週刊少年ジャンプ」に掲載されます。その数カ月後、同漫画はそれまでのポルノ・ディアノとの戦いをすっ飛ばす形で、「背徳の掟編」として"月に1度"という名目で連載が始まります。

 しかし早くも連載2話目にしてストーリーは破綻。数ページにわたり4大天使のパンチを「リングにかけろ」の如く見開きブチ抜で掲載されてしまうという事件が起こります。これはファンでさえ唖然、この漫画をよく知らない一般のジャンプの読者は「ハァ?」ってな感じで目が点だったでしょう。

三たびの連載中断、「ウルトラジャンプ」へ
 「週刊」に戻った『バスタード』は明らかに他の漫画に比べ存在が浮いており、話もD・Sとコンロンの戦いが永遠と続くまま、ほとんど進展を見せなくなってしまいます。掲載も"月に1度"というペースが守られなくなり、フェードアウトする様に、またも同漫画は「週刊」から姿を消してしまう事になります。

 またも、またも掲載雑誌が移動します。4度目の掲載雑誌は「ウルトラジャンプ」です。同雑誌は月に一度発行される、少年誌というよりは青年向けの雑誌であり、掲載されている漫画も個性的なものが多く、「週刊」に載っている頃よりも同漫画は違和感無く掲載されました。

混迷の時代、不定期連載

 ところがやはりここでも"月に1度"というペースはなかなか守られる事がなく、掲載ページも「季刊」の頃に比べ少ないため、1話1話があっという間に読み終わってしまい、読者は不完全燃焼を強いられる事になります。コマによっては"下書き状態"な事も多々あり、次のページをめくる度、あの「見開きブチ抜き」の悪夢が始まるのではないかと不安が過ります。

 ストーリーもD・Sとコンロンの戦いがやっと終ったかと思うと今度は悪魔にフォールダウンした天使ウリエルとの死闘が始まり、かなり冗長なものになってしまいます。そんな頃、同漫画は単行本に加筆を加えた豪華本「完全版」が出る事になります。ただでさえ不定期の連載だったものが、それの直しの作業に追われる形でまたしばらく休載してしまう事になります。

「背徳の掟編最終節」として再開
 2004年、同漫画はやっと連載が再開される事になります。この再開の場面では前回中断したD・Sとウリエルの死闘とは別に、今回は「背徳の掟編最終節」として、別のフィールドに転々となった四天王の行動が描かれる事になります。ストーリーが要所要所で途切れ途切れになってしまい、この漫画の時系列がだんだん分からなくなっていきますが、それでも"不定期"な連載ではなく、「背徳の掟編最終節」になってからは、"月に一度"のペースが守られる形で掲載されています。

 と、それが続いたのもやはり半年くらいの事で、結局次の単行本が出そうな時期になると、やはり休載の時間が長くなってしまいます。しかしストーリーはD・Sとウリエルとの戦闘シーンに戻り、舞台の背景にはメシアだの何だのと「謎」が動き出そうとしている予感は感じさせてくれます。

 『バスタード』は連載が開始されてからもう15年程経つ事になりますが、時代が進んだためか、この頃になると作画にもコンピュータ処理が多様されるようになり、キャラの絵柄などもかなり変わっていきます。連載開始当初の"まつもと泉"っぽさは欠片もありません。それはまあいいとして、とにかく「下書き状態」のコマの多い事…。こればかりはちょっと痛々しいので勘弁してほしいのですが…。

 今度、壮大な謎はどう明かされて行くのでしょう。今や"収集のつかない漫画"の代名詞ともなってしまっている同漫画ですが、コマやページから音が聞こえそうな大迫力の超絶技巧テクニックによる作画はまだ単行本で見る事ができます。不安は尽きる事がありませんが、じっと行く末を見守っていきたいと思います。(2005.11)











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