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有栖川有栖『月光ゲーム』[レビュー/感想]

 『月光ゲーム』
 有栖川有栖/創元推理文庫

 合宿で矢吹山に訪れた推理小説研究会の面々。多様な登場人物。陸の孤島と化した舞台で起きる連続殺人-クローズドミステリー-。さて、犯人は誰なのか。

『星降り山荘の殺人』の衝撃の後この『月光ゲーム』を読んだわけですが。前者の衝撃に比べたらまあ普通でした。いわゆる「大どんでん返し」モノではなく、散りばめられた情報から読者へ犯人を当てさせる、というもの。登場人物は誰か1人のキャラクターが突出しているというわけでもなく、比較的皆平等に犯人っぽいので、読み物として「こいつが犯人だな」とは憶測しにくい。

 結局犯人当てられなかった…。これまで読んだモノと違い、今回は何となく犯人が分かりそうだっただけに、ちょっとくやしい。

--以下ネタばれです--
--以下ネタばれです--

--以下ネタばれです--
--以下ネタばれです--

 ただ最初のダイイングメッセージの「y」だけど、ちょっと違う解釈が。本文には、この「y」というメッセージは

"うつ伏せで寝た死体の指先に書かれた"

という様にある。そして、

"死体の右側に回ってそれを覗き込んだ"

という様にもまた、ある。

という事は、死体の右側から見て「y」と読めるという事は、

"書いた本人からしてみれば逆さま"

になるのではないのか。死体の右側から見れば「y」。しかし、書いた本人(死体)から見れば、カタカナの「イ」。

 つまるところ犯人は一色尚三…という事は?。

 最初の死体を率先して見聞していたのは尚三だし、やはり最初にメッセージを「y」と読ませるようにミスリードしたのも尚三のように読める。"指輪をしていると(薬指が曲げられないと)ものが強く握れない"とあったが、そんな事ぁないだろ。そうだとしても、ナイフのような鋭利な物だったら、握らなくても利用する事はできる。

 じゃあ尚三は自分で指を切ったのかという事にもなるが、「そうだ」とも言えるし、「指輪が外れて他の人間の指に嵌めだ」とも言える。だから尚三犯人説は除外できないんじゃなかろうか。

 と、言ってみたものの、もちろん本文で説明されている真犯人で納得は入っているけども、どうも上記の部分だけが気になったので、書いてみました。

このエントリーのキーワード
有栖川有栖/月光ゲーム/推理小説/新本格ミステリー/犯人探し